解決事例
解決の実績をご紹介いたします。
保険金受取人変更請求にかかるトラブル
【事例】※分かりやすくするため本来の事実関係を修正しています。
あるご夫婦の旦那様が生命保険に加入していたところ、旦那様が病に伏し、入院先で最悪の事態を想定せざるを得ない事態となりました。
それまで上記生命保険の受取人は奥様以外のご親族となっていましたが、旦那様は、残される奥様の将来を案じ、他のご親族が受取人となっていた生命保険金の受取人を奥様に変更するために保険会社に電話を行いました。
もっとも、旦那様は病状が悪化していたためうまく話すことができず、本人確認を済ませた後は「保険金の受取人を変更したい。」とだけ伝え、その後は奥様がその場で電話を代わり、説明を行いました。保険会社の担当者は「受付はしたが、受取人の変更は書面で行なって欲しい」という旨を旦那様及び奥様に伝えたため、お二人は変更請求書を発送しました。ほぼ同時に旦那様の病状は悪化し、亡くなってしまいました。
保険会社の規約では、保険契約者が旦那様の生前に明確な意思確認ができなかったということで、保険金を債権者不覚知として供託し、ご親族は奥様に対して供託金還付請求権確認訴訟を提起しました。そこで、奥様が弊所に相談に来られました。
【結論】
裁判上の和解により保険金半額分の解決金を取得。
【裁判のポイント】
原告側の主張は、形式的に旦那様の生前の明確な意思表示がなかったため受取人の変更手続が完了していたということを被告(奥様側)が立証できなければ、変更前の受取人である原告が供託金を全て受け取るべきだという内容でした。
もちろん私たちは、旦那様は生前に奥様に受取人を変更する意思を明確に表示したということを主張しました。
具体的には、当時の電話内容の録音記録や実際に送付された変更請求書を取得し、これを解析して変更の意思表示に向けた立証活動を行うと同時に、旦那様の入院先の主治医への事情聴取、カルテの取得を行い上記意思表示の明確性の認定に向けた立証活動も行いました。
さらには、保険法の趣旨である「保険契約者の意思の実現」を掲げ、今回の保険契約者である旦那様の最終意思は奥様を保険金の受取人にする意思であったことを主張しました。形式的な請求書の到達の有無だけでなく、ご本人の意思の実現という実質的な観点からも判断を行うべきだという主張です。
具体的には、当時のお亡くなりになる直前のお二人の会話内容等の記録を丁寧に引用し、旦那様の最終意思が奥様を受取人にする意思であったことを丁寧に立証しました。
原告被告の主張が出揃った段階で、裁判官から「法律的な議論はともかくとしても、旦那様が存命であったら奥様が受取人となるのがしかるべき事案である」という発言がありました。このまま判決で全面勝訴する可能性も十分にありましたが、奥様は和解解決を選択し、保険金の半額相当額を取得しました。
【サマリー】
形式的な判断だけでなく実質的な当事者の意思はどこにあったのかという争点を形成できたのが本訴訟のハイライトでした。
裁判では、事案の真相や感情的な部分は無視されて、証拠から機械的に判決が出るようなイメージを持たれる方も多いかと思いますが、そんなことはありません。もちろん法的な位置付けは工夫する必要がありますが、真相や感情を紐解いてゆく姿勢によって解決の糸口が見つかることは往々にしてあります。
問このように弊所では相手方の言い分に対する反論はもちろんのこと、実質的かつ適切な争点を模索し、立証のための証拠収集についても担当弁護士自らが対応いたします。